2015年1月22日木曜日

議論で勝っても、ビジネスで負けること

ビジネススクールに2年間いると、言われなくても理屈臭くなる。
論理的になる一方で、言うならば「口はたっしゃ」になる。

たまに、MBAだけでなく、博士や教授といったアカデミシャンと話をすることがあるのだが、彼らは議論して勝つ事に喜び?を感じているように思える。

如何に綺麗な意見を言って、突っ込みどころがなく…といった所だろうか。


しかしながら、それはビジネスの世界において全く無意味なことなのだ。


EX)私はOBOG会に行ってお願いごとをしなければいけないことがたまにある。基本、どこの大学のOBOGは自分たちの過去は美化されるため、「今時の現役生は!!!」となり、言いたい事を言っていくるだろう。『OBOG会あるある』と言ったところだろうか。

※私の進め方の悪さに関しては突っ込まないでくださいw


そのOBOG会で、いくら先輩が言っている事がおかしかろうと、悪ろうと、こっちから吹っ掛けられた議論にテーブルに乗って、相手を論破してはいけない。

※私はイラッときてやっちゃうのだが。


これはビジネスの交渉でも一緒で、議論で勝っているようで、結果ビジネスで負けているのだ。
OBOG会に訪問し頭を下げ、結果的にプロジェクトがうまく万々歳だ。相手に勝っていると思わせて、こっちが勝たないといけない。ぶーぶー言いながらも、こちらの意向を通すのだ。


母からは「トップは常に頭を下げること、お願いして回ること」の重要性を説かれた。

自戒を込めて…

2015年1月2日金曜日

福岡の創業特区に関連する活動の紹介

をしたいと思う。基本的に自分のプロフィールや大学名を出さずにブログを作成してきたけど、今回はちょっと紹介(まあbloggerのプロフィール見れば大凡分かるのだろうけど…

私が会社を辞めてまで九州に戻ってきたのは、福岡市が力を入れる「創業特区」の波に乗りたいと考えたためだ。

創業特区が発案される以前から、九州大学はアントレプレナー教育に力を入れてきた。「九州大学ロバートファン・アントレプレナーシップセンター」という組織があり、約30科目近くの充実に充実を重ねたプログラムがある。
(私は大学の起業家教育やインキュベーション畑のキャリアを歩んできたが、こんなに充実したプログラムは見たことがない!

その活動の一つである「チャレンジ&クリエイション(通称:C&C)」という活動の一つを紹介する。これは学生の持つアイデアやプロジェクトに対して、50万円ほど予算が付き学生がビジネスプランを実行する、といったものだ。 


写真:採択通知と今後の予算やスケジュール説明会

所属するビジネススクールからは、飲食店の空席案内システムが採択されており、非常に優秀な学部生は「新型回転風洞技術の実用化プロジェクト」などを行っている。また、看護の博士の学生は、「介護向けの男性に向けた料理教室」を行っており、TV出演を行っている。


上記の写真は、Startup Weekend Fukuokaの一枚、学生だけでなく多くの社会人、フリーランス、起業家が集まり、熱い3日間を過ごした。年に数回実施され、かつ、韓国やアジアからの参加者もいるようだ。熱心な先生と実業界の方がSWFを企画している事は言うまでもない。また、参加学生のプレゼン、ビジネスアイデアもレベルが高い。



最後の一枚はアドテック九州、九州はとても盛り上がっているように見える。

九州は東京の10分の1経済と言われているが、九州の良いところは人数が少ない分、縦・横・斜めの人脈やネットワークを作りやすく事だ。例えば…コンサルティングファームのパートナークラスやファンド関係者と簡単に繋がることができることだ。社会人慣れしている学生も多く、枠組みを超え、イノベーションが起きればと思う。

MBA醍醐味の一つ「ファイナンス」 -応用編-

前回のブログで、醍醐味の一つである企業財務やコーポレートファイナンスはMBAではベーシック科目だと述べた(かなり矛盾しているけど…
1年生の前期でとても面白かった財務分析の「応用編」について紹介したい。



講義の最後に私のチームが発表した資料を一部紹介すると…一つの会社を取り上げ、その会社の投資判断を中長期計画をもとにシュミレーションするといったものだ。

M&A・提携・事業売却等など、なんでもありだが、数年分の財務諸表を読み、投資計画を立て、割引率を設定し最終的にNPVを算出しないといけない。それに対して、プロフェッショナルな先生の鋭い突っ込みを交わして、プレゼンを行わないといけない。

私のチームは幸いにも、税理士さんと税務署の方がいらっしゃったので、BSの細かい科目など、私の分からないことはほとんどフォローしてくれた。

(何をもって?というのは分からないが…)以前いた会社では絶対に考えられないほどのレベルの高い投資計画のプレゼンを聞け、このような形で経営層は意思決定をしていくのだなーと垣間見れた。

残りのMBA生活を通じて、Valuationができるようになりたいと思う一方で、この学びは私のお家芸であるビジネスプランコンテストの財務諸表の作成の際に大きく役立つことになった。

MBA醍醐味の一つ「ファイナンス」

MBA生の学びには大きく以下の3つに分かれると思う。

①戦略とマーケティング系
②アカウンティングとファイナンス系
③各大学の特色に分かれるもの、もしくはその他(HRやリーダーシップなど)
  ex 私の大学はMOTやアジア、他の大学はアカデミック、行政や政策…等など

そのため、各生徒によって問題意識が分かれ、志望大学が分かれ、どうしてその大学?となるのではないかと思う。

※余談ではあるが、MBAそもそも「戦略」を教える必要があるのか?という議論もある。戦略が根本的にあり、マケやファイナンスに分かれて行くため、ざわざわ感が否めない、という意見の教員もいる。私も若干アグリーである

それはさておき、本題に入ろう。

私はメーカーの購買(資材調達)に所属していたため、常に事業部のPLを追いかけていた。トップラインを意識しコストダウンに取り組む、ということがメインのミッションである。
しかしながら、業務を行っていてたまーにくる取引先の財務分析の際、貸借対照表・キャッシュフロー、ROEやPERなど、財務用語が全然分からない・・・という状況になった。

そのためMBAでは、単にPLだけでなく、財務諸表3表やその他指数を勉強・理解したく入学した。つまり、上記でいえば②を志望する学生である。

ビジネスを行っていた際、自身でファイナンスの本を買って勉強していたこともある。


上記本のほとんどがMBA入学前に購入した本である。しかしながら、個人レベルの勉強ではぶっちゃけちんぷんかんぷんのため、やはりプロフェッショナルな教員の元、課題・復習・テストも含め、15回の講義をストーリーだてて勉強しないといけないと思う。

特にファイナンス(やアカウンティング)は、ディスカッション型でもなく、暗記系・ガリ勉系・詰込み型系の講義だからだ。

Brealey & Myers (著) 「Principles of Corporate Finance」
http://www.amazon.co.jp/dp/0071314172/ref=cm_sw_r_tw_dp_wUMPub1MW0YZW
は定番中の定番で、世界各国のMBAで使用されていると思う

企業財務やコーポレートファイナンスは、基礎を学んだ・理屈を学んだ、ということで、次のブログでその学びのアウトプットについて触れて行きたい。

お勧め本と僕の問題意識 -HR編-

最近受けたHRの講義とその後の同期の食事会で「今時の若者思考」について話しました。

「今時の若手が何を考えているかさっぱりわからない!」という若手マネジメントに関して悩んでいる方々(ここでは40代前後課長クラス)が多いとのこと…ディスカッションの際、実際に会社を経営されている方の取り組みや経験談は非常に勉強になりました。社員一人一人に腱鞘炎になるくらい手紙を書いていたそうです…涙

こういった体験ベースの議論ができるのはビジネススクールならではかと思います。

余談ですが、私の思う「今時の若者思考」について列挙したいと思います。
(※私の学部ではHRのゼミだったこと、かなり個人的な観察や意見が入っていること、大学の同世代と話して感じる特徴をちょっと記載)

【若者は…】
・組織に対する帰属意識の低下、キャリアのスパンを3年で捉えている人の増加
・一先ず大企業に入って自分探しをしている人が多い(失礼な話なのですが)
・仕事とプライベートをはっきりと区切りたい若者も少なくない
・パワハラやセクハラという言葉が先行しすぎて、妙に気を使われすぎており、気にしない人は気にしないかも
YUTORI、我がままの代表者みたいになっておりますが…

「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか」というアップデート本が2008年に出たり、求人倍率も回復し人手不足な状況となり、どうすればいいのか・・・また講義で深めていきたいと思います。




【お薦め本】
学部時代使っていたHRゼミでは、
・リーダーを育てる会社 つぶす会社http://www.amazon.co.jp/dp/4901234471/ref=cm_sw_r_tw_dp_uuLPub0K6NDB8

その他ですが、
・隠れた人材価値―高業績を続ける組織の秘密 (Harvard Business School)
http://www.amazon.co.jp/dp/4798102245/ref=cm_sw_r_tw_dp_SuLPub1GWNH7X

・ウォー・フォー・タレント ― 人材育成競争 (Harvard Business School)
http://www.amazon.co.jp/dp/4798101494/ref=cm_sw_r_tw_dp_bq0wub14PYVH4


ちなみに、ブラックプレジデントというドラマ面白いので見て下さいね。
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/black/

2015年1月1日木曜日

アライアンスイノベーション③ 参考にしていた本

題目に関して、考え方を参考にさせて頂いていたのが、古巣の富士通の経営戦略室・元室長代理を務められていた、現上武大学の中村さんの資料だ。

中村 裕一郎氏 著作
アライアンス・イノベーション: 大企業とベンチャー企業の提携:理論と実際http://www.amazon.co.jp/dp/4561266208/ref=cm_sw_r_tw_dp_zKbPub0RG55WB

コーポレート・ベンチャリングの可能性と 富士通のCVC活動
http://jp.fujitsu.com/group/fri/downloads/events/conference/110209nakamura.pdf


理屈や理論は分かったものの、結局実践するのは自分自身なので、家業でしっかりアウトプットしていきたいと思う。また、その中での気づきを今後シェアしたい。

アライアンスイノベーション② know how よりもhow whoだ

アライアンスイノベーションを起すのには、「他人が何をやっているか、何が強みで、何ができるかを知る」ということだろう。これが簡単なようで難しい。

そう思った理由は、ビジネススクールでの以下の経験。
私は全て自分で仕事を抱えることは少ないが、学生自治などの依頼が結構私に降ってくる。それを一つ一つ自分でさばいていては身が持たないため、学生リストをいつも眺め、誰が何に詳しいか、どのような情報を持っているか、誰に頼めば最適かつスピード感を持って、上記依頼をさばけるかを考えていた。

これはビジネスにも応用できるはず!と…

しかしながら、
①そもそも他人に興味を持つこと (ex 名前が覚えられないなんてNG
②依頼相手が分かっても、その後の依頼の行い方が問題

特に②に関しては、ビジネスでアライアンスを行う際は契約が重要になってくるため、必ずと言って交渉能力や調整能力、商談を纏める能力が必要だ。


話は変わるが…シリコンバレーチックに言うと「know how よりも KNOW WHOだ」
③100名と自分が友達になるのではなく、100名の友達を持つ人と自分が友達になることが大切だと思う。
そのためには、自分自身の人間性を高めることが大切で、むかつく人間はNGだし、自分と関わるメリットを相手に伝えないといけない。


これはベンチャー経営にも同じことが言えて、自社との取引に対するメリット(今後の成長性等)を伝えることが大切かなーと。

アライアンスイノベーション①

最近やっと家業を手伝ってみて分かったことは、「ベンチャー企業の経営は徹底的にアライアンスでやっていくしかない」ということだ(厳密に言うと、家業はベンチャーではなく100年間続く中小企業だけど…)

まあ、これは大手企業のトレンドとしても言えることだが、自社でのイノベーションには限界があり、他人のふんどしでビジネスをしよう(という表現は悪いかもしれないが…)、ベンチャー企業などのアライアンスによってイノベーションを起こそうというトレンドが強い。

それはベンチャー企業側にも言えて、時間とリソースが限られている状況で、自分自身で全て(開発~販売まで等)行うということが難しい、ということだ。

【戦略論ちっくな話】
ベンチャー企業の戦略立案についてだが、私の考えでは、「ポジショニングではなくリソースベースになってしまう」と言うことだ。
無論、"市場のここを攻める"ということはベンチャー企業にとっても大切だが、やはりそれは資源が対等な企業同士、特に大企業同士が前提で、ポジションを決めてアプローチをしていく、という感じだろうか。

10名以下のメンバーの企業などでは、メンバーの強み、バックグランド、ネットワーク、位置している地域の特性などのリソースをもとに戦略を練る傾向にある。

そのため、地域創生などの地域性やアクセスビリティの高い企業と提携・連携し、ビジネスを創るないしはイノベーションを起して行く方向になるかと思う。